特別講演会に行ってきました

4月20日(土)に名古屋大学で行われた特別講演会に行ってきましたので、概要を報告します。

講演会はブラックホールの画像撮影の発表を受け、急遽決まったそうです。発表が4月10日だったので、それから10日で発表を準備したそうで、前日の打ち合わせで発表内容を修正するなど大忙しだったようです。(当日配布された資料も、前日の打ち合わせを受け、発表の順序が変更になりました。)

当日は、ホールのAV器機が故障(電源が入らなくなった)したため、急遽プロジェクターを持ち込み、音声は肉声のみという状況でした。福井先生も参加者の間を場所を変えながら講演されました。

講演会の様子(立っている方が福井先生です。参加者の顔はぼかしてあります)

300人の会場でしたが、6割以上埋まっていたと思うので、200名程度参加していたのではないでしょうか。参加者の中には、はれー倶楽部の方も何名かみえたようです。

講演の内容を簡単に紹介しておきます。

ブラックホールには2種類あり、1つは、太陽の30倍以上の重い星が超新星爆発してできる比較的小型のもの。もう一つは、銀河系の中心にあり、太陽の100万倍~100億倍以上の巨大ブラックホール(でき方は不明)。

ブラックホールの写真を撮るためには、見かけが大きいブラックホールを狙う必要がある。ブラックホールの大きさ(半径)はその質量に比例する。超新星ブラックホールはとても小さく、太陽の50倍の重さでもその半径は100kmにしかならない。そこで、対象は、銀河中心の巨大ブラックホールとなる。

なお、ブラックホールの写真を撮るといっても、ブラックホールからは光は出ないので、写真に撮れるのは正確にはブラックホールの周囲の光であり、ブラックホール自体はブラックホールシャドウとして確認できる。

対象となる巨大ブラックホールの一つは、われわれの銀河系の中心にある射手座A*と呼ばれる最も近い巨大ブラックホール。もう一つは楕円銀河M87の中心にある超巨大ブラックホール。射手座A*は、距離3万光年、半径800万km。M87は、距離6000万光年、半径100天文単位(1天文単位は地球と太陽の距離)

いずれも、距離と大きさの比は100億分の1程度。見かけの大きさは月にあるゴルフボール程度になる。一方、これを観測するVLBIにおいても、観測する波長1.3mmと電波望遠鏡間の距離(1万km)との比は約100億分の1になる。詳しい原理は難しいそうですが、波長と基線長(電波望遠鏡の距離)の比で観測精度は決まるとのこと。

電波望遠鏡では波長1.3mmの電波(約230GHz)を正確な原子時計の時刻と合わせてハードディスクに記録し、これをスーパーコンピュータで解析して画像を得るそうです。解析方法によって結果が異なる恐れがあるため、今回の研究では、4日間の電波を記録し、その結果を4チームに分かれて解析し、その結果がほぼ一致していることを確認したそうです。

このようなインパクトのある成果を発表する時には、事前に情報が漏れないようにすることも大切だそうです。

今回はM87についての成果発表でした。EHT計画(注1参照)では、射手座A*についても同様に研究が行われているはずですが、M87と比較して銀河中心までの間は、星やガスが多く、解析に手間取っていると推測されます。

講演の後には、質問の時間があり、ブラックホールそのものに関する質問から、観測手法に関するものまで数多くの質問があり、会場の熱気を感じました。

ishi


(注1)イベントホライズンテレスコープ(E.H.T)とは、地球上にある電波望遠鏡超長基線電波干渉法(VLBI)を用いて結合させ、銀河の中心にある巨大ブラックホールの姿を捉えるプロジェクトのこと。イベントホライズンとは事象の地平面を意味する。(Wekipediaより)

 

特別講演会「世界初、ブラックホールの画像撮影に成功」

特別講演会

新聞等でもご存知かもしれませんが、話題のブラックホールです。KoMは土曜日の為行くことはできません。

日時:2019年4月20日(土) 13:00開場 / 13:30開会16:00閉会予定
入場無料
対象:小学生以上
場所:名古屋大学 理学南館1階 坂田・平田記念ホール
講師:立原 研悟(名古屋大学 准教授)
:福井 康雄(名古屋大学 特任教授)
定員:300名(当日先着順、どなたでも参加できます)
主催:名古屋大学天体物理学研究室・南半球宇宙観測研究   センター名古屋大学星の会

訃報 海部宣男先生

海部宣男先生におかれましては、4月13日に膵臓癌で、ご逝去されました。享年75歳でした。                ここに謹んでお知らせするとともに、海部先生のご冥福をお祈り申し上げます。

KoMは昨年3月に直接お話をさせていただく機会がありました。随分前からご体調が悪いご様子で、抗がん剤の関係で気分に波があるとの事でした。自分の今の役目は「何が分かっていないか」を説明することにあるとおっしゃっておられました。福岡空港閉鎖事件に巻き込まれ、先生のご講演に間に合わなかった事が今でも悔やまれます。TMT完成後はすばる望遠鏡を我々アマチュアにも開放下さいよというKoMの無茶振りに「それはちょっと、、、」となりながらも、国民の為の望遠鏡ですものねと優しくお笑いになられておられました。75歳は若すぎますよね。

祝 ブラックホールの撮影に成功

4月10日にブラックホールの撮影に成功したというニュースがありました。
少し時間がたちましたが、まとまった情報を見つけることができたので、関連するリンク等を集めてみました。興味のある方はどうぞ。(全部に目を通すのは大変です。画像を楽しむなら最後の3つのリンクをどうぞ)ishi

国立天文台プレスキット「史上初、ブラックホールの撮影に成功」

Event Horizon Telescope Japan プレスリリース

(参考)VLBIとは

ALMAプレスリリース

(参考)目に見えないブラックホールの撮影を可能にした「スパースモデリング 」とは (5/7追加)

アインシュタインの影を追い続けた国際チーム(WIRED)

プレスキットより「映像」

プレスキットより「画像」

ブラックホールがよく分かる動画とイラスト

Web会報4月号(2019.4.2公開#42)

1 公式行事ほか(はれー倶楽部+天文クラブ)

4月の公式行事はありません

次回行事 蛍と星見の会※浅田さん参加日が変更となりました
場所:地下鉄桜通線相生山駅近くの風の子幼稚園(徳林寺)の裏手広場
5月18日(土)はれーのみ
5月25日(土)浅田さん(講師)参加

いずれも20時からです。
特段出欠等はとりません。三々五々集まり流れ解散で行います。
雨天決行。

冬例会(3月10日)の報告はこちら

天文クラブの次年度の継続手続きをお忘れなく。
(現会員の優先申込は、郵便振替のみで4月15日(月)まで)

2 天文情報

寒暖の差が激しい天気が続いています。寒い日は星が見えるのですが、黄砂か霞の影響で、暖かい日には空が霞んで星がほとんど見えません。惑星は火星を除いて夜半過ぎから明け方の空に見えています。詳しい情報は「4月のほしぞら情報(国立天文台)」「今月の星空(アストロアーツ)」で

3 観望会・講演会など

2019年度の池ヶ平天文観測会の日時については、こちらから河合さんにご確認下さい。

4 新着記事、その他

3月以降の新着記事は次の1件です。

(行事報告)冬例会(3/10)

はれーブログはこちら。(11/30更新)

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次回行事、前回行事へのリンクははれー倶楽部トップページから。
月間予定はカレンダーで。
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編集後記(又は雑感)

4月は行事が全く無いため、記事が少なく地味な会報となってしまいましたが、3月は行事が充実していた感があります。

まずは、はやぶさ2のタッチダウン直後の冬例会。行事報告にも書きましたが、科学館の学芸員の方も聴講されていて、非公式Twitterでもつぶやきがありました。

また、3月の天文クラブ例会は、プラネタリウムのスクリーンを活かしたクィーンのミュージックショーでした。

実は、クィーンとはやぶさ2は、ちょっとしたつながりがあります。
3月の例会でも紹介があったとおり、クィーンのギタリストのブライアン・メイさんは天文学者でもあります。そのため、はやぶさ2にも何度かコメントしていて、はれーのホームページでも2回ほどニュース記事を引用しています。1回目はリュウグウの立体視画像で、2回目ははやぶさ2タッチダウン成功です。

私はクィーンの曲は知っているけど、熱心なファンというわけではありません。そのため、1回目の記事(6/28)に目が留まってニュースを引用したのは、全くの偶然でした。偶然とはいえ、不思議なつながりを感じた3月の天文クラブ例会でした。

Ishi