(行事報告)秋の例会(10/20)

10月20日(日)の秋例会についてご報告します。

34名の方にご参加いただき、ありがとうございました。

秋例会後の記念写真

プラネタリムの後で、集合写真を撮りました。

1 ミニ講座

今回は、プラネタリウムの前に、野田先生によるミニ講座です。
今年(2019年10/8)のノーベル物理学賞は宇宙物理学を専門とする3名の研究者に贈られ、うち2名が、太陽系外の恒星を周回する惑星を最初に発見した功績で受賞しました。偶然ですが、プラネのテーマ「生まれつつある系外惑星」と一致したタイムリーな受賞ということで紹介がありました。

2019年ノーベル物理学賞

系外惑星というのは、太陽系外の恒星の惑星を意味しています。これが最初に見つかったのは1995年で、この発見がマイヨール氏とケロー氏のノーベル賞の受賞につながりました。最初に見つかったのはペガスス座51番星で、この恒星のドップラー効果による60m/sのスペクトルの偏移から、4.2日周期で恒星を周回する0.47木星質量の惑星を見つけたそうです。

ドップラーシフト法

系外惑星を見つける方法は、ドップラーシフト法の他に、恒星の前面を惑星が横切った時のわずかな明るさの変化(1万分の1程度)により、惑星を見つけるトランジット法があります。

ケプラー宇宙望遠鏡は、はくちょう座の近くの視野角105平方度(げんこつ2個分)の星域で約50万個の恒星を観測し、トランジット法によって2734個の惑星を発見しました。トランジット法では中心星と惑星が地球から見て一直線になる必要があるため、全体から見ればわずかな惑星しか発見できません。しかしこの方法でこれだけの数の惑星が見つかったことから、恒星の6割~7割には惑星があると推定されます。

ケプラー宇宙望遠鏡の視野

最初に説明したドップラーシフト法も、精度の向上が図られており、ヨーロッパ南天天文台のHARPSは、恒星の1m/sの速度変化を観測できるそうです。HARPSによっても、多数の系外惑星が発見されています。ちなみに、地球による太陽の速度変化は0.1m/sになるそうです。

HARPSで発見された系外惑星

ノーベル物理学賞のもう一人はジェームス・ピーブルス氏で、受賞理由は「現代宇宙論における理論的発見」です。宇宙論におけるほとんどすべての現代的研究の基礎を築いた方で、宇宙論の有名な教科書も書かれており、野田先生もピーブルス氏の教科書を読んで勉強したそうです。

宇宙背景放射の存在を予言し、COBEWMAPなどの観測結果とも一致するΛ-CDMモデル(宇宙項と暗黒物質を含む宇宙モデル)を提唱したことでも知られているそうです。(追記11/2:日本物理学会による解説記事

ミニ講座の様子

 

2 プラネタリウム

プラネタリムは「生まれつつある系外惑星」題して、秋の星空と電波天文台ALMAの成果について解説していただきました。

10月20日の日没後の夜空で一番明るい木星は、西の空の低い位置に見えます。惑星では南の空の土星も目立ちます。一等星は、西の空に見える夏の大三角、南の空のフォーマルハウト、東の空のぎょしゃ座のカペラです。秋の星座はやや暗い星が多いのですが、秋の四辺形のペガスス座やアンドロメダ座など、ギリシャ神話に関連する星座が多くあります。

太陽系以外にも惑星をもつ恒星があるかどうかというのは天文学の長年の課題でした。1995年にペガスス座の51番星で、最初の系外惑星が見つかり、その功績が今年のノーベル物理学賞の受賞につながりました。ミニ講座でも解説があったドップラーシフト法によるものです。

肉眼で見える星は約5000個ですが、天の川は銀河系を横から見たもので、無数(約2000億個)の星の集まりです。そのうち、これまでに見つかった系外惑星は約4000個だそうです。その多くはケプラー宇宙望遠鏡によるトランジット法で見つかったものです。発見された系外惑星の場所をプロットすると、はくちょう座付近の天の川に集中していることがわかりますが、これはケプラー宇宙望遠鏡がこの付近を集中的に観測したためです。

一方、1980年代の電波による観測で、おうし座HL星など、いくつかの星には、中心星の周りにガスやチリの円盤が見つかっており、これらの円盤から惑星が誕生するものと推測されていました。
南米チリのアタカマ砂漠にあるアルマ望遠鏡は、複数の電波望遠鏡を16kmの範囲に広げて組み合わせることで、直径16kmの電波望遠鏡として機能し、視力6000に相当する解像度をもっています。(電波望遠鏡で光学望遠鏡と同じ解像度を得るには、波長に比例した(1000倍~1万倍の)直径が必要)

この望遠鏡を使っておうし座HL星を観測したところ、原始惑星系円盤の鮮やかな画像を得ることに成功しました。(参考記事:視力6000で見る宇宙【vol.1】天文学者を震撼させた「おうし座HL星」

おうし座HL星は誕生から100万年ほどの若い星ですが、原始惑星系円盤には、同心円状の黒い線が複数あり、この黒い線は誕生した惑星により、軌道上のガスやチリが吸い寄せられた証拠だと考えられます。

アルマによって、同様の原始惑星系円盤は複数発見されています。電波望遠鏡による観測では、この他に生命の材料になる物質なども観測できるため、生命誕生の謎につながる研究も期待されています。

(追記:コバヤシさんからの記事紹介:国立科学博物館「太陽系のような惑星をもっている星は他にあるのですか?」)

今回は懇親会は無く、プラネタリウム終了後、全員で記念写真を撮り解散となりました。ラグビーワールドカップの日本ー南アフリカ戦を見るために、急いで帰った人も多かったのではないでしょうか。

「(行事報告)秋の例会(10/20)」への2件のフィードバック

    1. ありがとうございます。本文の記事を一部加筆し、本文中にも参考記事として追記させていただきました。

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