2022年10月2日(日)14:30~
はれー倶楽部令和4年度第2回例会の報告です。
参加者は23名でした。
1.プラネタリウム「皆既月食の魅力」
10月の宵の空では、天頂から少し西に夏の大三角を見ることができます。そして東側には秋の四辺形を見つけることができます。北の空にはWの形をしたカシオペア座があります。これらの星をもとに、さまざまな星座や天体を見つけることができます。①
11月8日には、皆既月食があります。時間帯や皆既の長さ等の条件が観測に適していて好条件です。科学館ではライブ中継を予定しているそうです。
皆既月食の日は満月なので、星は見えにくいのですが、皆既月食の状態では空が暗くなり、夜空が暗い所では、様々な星座や天体を見ることができます。
皆既月食は、月が地球の影に入るために起こりますが、月の軌道は黄道面に対して約5度傾いているため、位置の条件が揃わないと月食や日食は起こりません。その機会は約半年ごとに訪れますが、微妙な位置のずれや時間の違いにより、実際に見ることのできる月食は2~3年に一回程度になります。②
皆既月食の最中は、月は地球の影に隠れるのですが、地球の大気を通過した赤い光が、少し曲がって月の表面を照らします。そのため、皆既月食の月は少し赤みを帯びた色になります。
この時、月から地球を見たシミュレーション映像を見ることができます。月から見た地球により、皆既日食のような状態になりますが、太陽の直径より地球は大きく見えます。地球の縁が赤く見えるのは太陽ではなく、地球の大気を通過した光の色です。
深夜になると、冬の星座が見えてきます。そしてオリオン座のベテルギウスと火星が近くに見えます。火星はマイナス等級なのでベテルギウスより明るく赤く見えます。
————————————–参考情報をまとめておきます。
②2022年11月8日皆既月食(名古屋市科学館)
YouTube【公式】名古屋市科学館
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2.ミニ講座(皆既月食とハーシェル展)
プラネタリウムの後、学習室に移動して、稲垣先生によるミニ講座です。学習室でのミニ講座は2019年10月20日以来、3年ぶりになります。
テーマは「皆既月食とハーシェル展」ということで、皆既月食についての補足と、ウィリアム・ハーシェルについての解説です。

ハーシェルと月食の関係については、ハーシェルが1766年2月に月食を見たという記録があります。
まずは、月と月食についての解説です。
中秋の名月は旧暦の8月15日で今年は9月10日でした。後の月と呼ばれる旧暦の9月13日の月を見る風習は日本独自のものです。中秋の名月は芋名月(里芋)、後の月は栗名月、豆名月とも呼ばれます。③
有人月探査については、1969年のアポロ11号から1972年のアポロ17号まで続いた後、しばらく中断されていました。近年になって、2025年以降に有人月面探査を目指したアルテミス計画が進められています。④
月の軌道である白道は、(地球から見た)太陽の軌道である黄道面に対し5度ほど傾いています。地球から見た月の大きさは0.5度で地球の大きさはその約3倍(1.5度)です。月は赤道に対し±5度(全体で10度)動きますが、これが地球の影である1.5度の中に入った時に月食になります。
11月8日の皆既月食は、観測しやすい時間帯に起き、観測時間も長い月食です。皆既月食中に、天王星食があり、こちらも天文マニアから注目されています⑤。天王星は6等星なので肉眼での観測は難しいでしょう。なお、科学館では月食のライブ中継を予定しています。
現在、科学館では「ウィリアム・ハーシェル没後200年記念展」が行われています。⑥⑦
ウィリアム・ハーシェルは、単純な仮定をもとに、星の分布をしらべ、我々の銀河が凸レンズの形をしていると考えました。(天文クラブ機関紙参照)
日本ハーシェル協会⑧のホームページには、Gaia衛星の観測データにもとづいてハーシェルの銀河図を再作成した図があるそうです。⑨
ハーシェルの観測は、望遠鏡を覗くハーシェルとそれを記録するカロラインの二人三脚で成し遂げられました。女性の天文学者は少ないのですが、女性と天文学⑩という本でカロラインのことが紹介されています。
稲垣先生が天文クラブ機関紙221号に「天文学の巨星 ハーシェル一族」という特集記事を書かれていますので、詳しく知りたい方はこちらもご一読下さい。
久しぶりの学習室で、熱心な質疑が行われました。
Q:ハーシェルはどのような人だったと思われますか
A:無一文から音楽家として成功し、天文学者に転身した人で、探求心が旺盛な人だったと思います。
Q:当時の望遠鏡を口径ではなく、長さで表す理由は?
A:構造物としての大きさを示すため、長さを用いていると考えられます。
Q:月食の際に、月の縁が青緑色に輝く現象がみられるそうですが?
A:ネットにはそのような情報がありますが、あまり確かなことはわかっていないようです。⑪
最後に記念撮影を行い、解散となりました。

————————————–参考情報をまとめておきます。
<月・皆既月食>
<ハーシェル一族>
稲垣先生が天文クラブ機関紙221号に「天文学の巨星 ハーシェル一族」という特集記事を書かれています。また機関紙の「歴史上の科学者たち」でも、220号で、ジョン・ハーシェル、221号でウィリアム・ハーシェルについて書かれています。
⑥ウィリアム・ハーシェル没後200年記念展(名古屋市科学館)
⑦「ウィリアム・ハーシェル没後200年記念展」について(日本ハーシェル協会)
⑩書籍:女性と天文学(Amazon)、書評
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