相生山蛍の会(令和6年)

日時:令和6年5月18日(土)20時~
10名ほどが参加しました。あさだ考房の浅田さんの解説による天体観察を予定していましたが、薄曇りのためあまり星は見えず、残念ながら、月とアルクトゥルスの観察程度となりました。浅田さんが持参された望遠鏡は、800g台の自動導入・自動追尾経緯台トラバースに附属の小型のものですが、あさだ考房のブログに書かれているとおり、望遠鏡込みの1セットが約2万円だそうです。口径6cmの小型反射望遠鏡ながら、月のクレーターなどしっかり見えるものでした。軽量なので、旅行等で持ち運ぶことも可能です。日食等にも役に立つかもしれません。

月などを小型望遠鏡で観察する様子

星はあまり見えませんでしたが、4月8日に、メキシコからアメリカにかけて見られた皆既日食の話を聞かせていただきました。はれー倶楽部のKoMさんも参加されたそうです。さらに、これまでに見てきた日食、今後見られる日食、そして2035年に日本で見られる皆既日食などの話で盛り上がりました。その他に最近の太陽黒点の写真や低緯度オーロラの話などいろいろと聞かせていただきました。低緯度オーロラは、低緯度にオーロラが出現するのではなく、北極圏のオーロラの上部が、低緯度(北海道など)からも見えるという現象だそうです。

9時頃から広場を離れ、蛍を見に行きました。蛍は時期が少しだけ早かったようで、ピーク時の半分程度に思えました。それでも道端に蛍がいたり、沢沿いの道では、何匹も見ることができ、目の前を飛ぶ様子など、十分に楽しむことができました。過去に蛍の乱舞を見た丘の竹やぶまで行ったのですが、こちらは残念ながらほとんどいませんでした。道すがら蛍を見ながら10時ごろに広場に戻り、解散しました。蛍の会は、私にとって桜の花見のように毎年の行事になりました。暗闇に光る蛍はとても神秘的で、名古屋市内に残る貴重な自然が大切にされて欲しいと思いました。

令和5年度第3回例会

2024年4月21日(日)13:30~
はれー倶楽部令和5年度第3回例会の報告です。
参加者は27名でした。(①~⑯は文末の関連リンクの番号)

1.特別講演会「最近の太陽活動と火星衛星探査計画MMX」

今回の特別講演会は、「最近の太陽活動と火星衛星探査計画MMX」と題して、矢治健太郎先生(宇宙航空研究開発機構 国際宇宙探査センター 火星衛星探査機プロジェクト)にご講演いただきました。

太陽①は直径140万km、地球の直径の109倍の巨大な星です。太陽までの距離は1億5千万kmで、光で8分19秒かかります。
黒点②は太陽の活動を示す指標の一つであり、これを定量化する指標として、黒点相対数③=黒点群数×10+黒点数 が考案されています。2024年4月20日には相対数283という多くの黒点が観測されています。(下図)

2024年4月20日の太陽黒点

この太陽を白色光、Hα線、X線で観測したものが下の図です。

3波長で見た太陽

Hα線は水素原子が出す光で、黒点付近にフィラメントと呼ばれる黒い筋が見えます。これはプロミネンス④を上から見たもので、太陽の表面より温度が低いために黒く見えます。黒点付近には強い磁力線があり、この磁力線付近にあるコロナがX線で明るく見えています。

黒点相対数は、2024年現在、ピークに近づいていると考えられます。(下図)

太陽黒点数(相対数)の変化

黒点は、太陽の北半球と南半球にできるものがあり、上の図のとおり、最近は北半球(青色)のピークに少し遅れて南半球(赤色)のピークができる傾向があるそうです。また、黒点が発生する緯度と黒点数には一定の関係があって、同じ周期で変化しています。⑤(下図)

黒点が発生する緯度と黒点数の関係

黒点数がゼロに近づいた後に出現する黒点は、太陽の南北の高緯度地域に発生します。これが次第に数を増すとともに、発生場所が太陽の赤道付近に近づいていきます。すると黒点数は減少し、ほぼゼロになります。これを一定の周期(11年程度)で繰り返していることが上図からわかります。

現在の黒点数は、観測上25番目のサイクルであり、現在はそのピークに近づいているものと推測されます。黒点数が増加すると、太陽フレアも増加します。(下図)

フレアの数と黒点数

折れ線グラフが黒点数で、縦棒グラフがCクラス以上のフレア⑥を示しています。大規模なフレアが発生すると、地球上や人工衛星などに甚大な被害を及ぼす恐れがあります。

X5クラスのフレア

2023年12月31日にはX5クラスの巨大フレアが発生しましたが、幸い地球とは異なる方向を向いていたため、被害はありませんでした。

太陽観測衛星「ひので」⑦(Solar-B)は、2006年に打ち上げられ2016年に観測結果をまとめたひので10周年記念ムービー⑧が作成されました。現在は後継機としてSolar-Cの打ち上げが計画されており、その打ち上げは2020年代後半(2028年頃か)とされているそうです。

日本の宇宙開発で惑星探査をめざしている計画がMMXです。火星衛星探査計画MMX : Martian Moons eXploration)⑨⑩は、2026年度の探査機打上げを目指し、研究開発が行われています。計画では火星衛星(フォボス・ダイモス)の擬周回軌道に入り、火星衛星観測・サンプル採取(フォボス)を行います。観測と採取を終えた探査機は、サンプルを携えて地球に帰還する計画です。

MMXの1/2サイズの模型が、蒲郡にある「生命の海科学館」⑪で2024年4月27日(土)~6月23日(日)まで展示されているそうです。

<関連リンク>

https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽

https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽黒点

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウォルフ黒点相対数

https://ja.wikipedia.org/wiki/紅炎(プロミネンス)

https://ja.wikipedia.org/wiki/シュペーラーの法則

https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽フレア

https://ja.wikipedia.org/wiki/ひので_(人工衛星)

⑧ひので10周年記念ムービー
https://hinode.nao.ac.jp/10th/movie/10.html

⑨火星衛星探査計画MMX(宇宙科学研究所)
https://www.isas.jaxa.jp/missions/spacecraft/developing/mmx.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/火星衛星探査計画

⑪生命の海科学館開館25周年記念 特別展「日本のサンプルリターン」
https://www.city.gamagori.lg.jp/site/kagakukan/mmx2024.html

プラネタリウム「おとめ座物語」

プラネは「おとめ座物語」と題して、おとめ座にまつわる神話と、おとめ座銀河団のお話でした。

今日の星空では、日没後の夕方、西の空に木星が見えます。金星は太陽よりも先に沈み、明け方の空に見えます。夜8時頃には、冬の大三角が西の空の低い位置に、東には春の大三角⑫があります。

春の大三角は、うしかい座のアークトゥルス(0等星)、おとめ座のスピカ(1等星)に、しし座のデネボラ(2等星)を加えた3つの恒星が形作る三角形です。

おとめ座⑬の神話は、「農業の女神デーメーテール」の神話と、てんびん座⑭と合わせた「正義の女神アストレア」の神話があります。

人間が初めてこの世界に現れたころ、世の中はまだ平和な「黄金の時代」でした。アストレアやほかの神様たちは、そのころは地上にいて人間とともに暮らしていました。次の「銀の時代」には少し生活が厳しくなりました。「銅の時代」になると、人間は武器を作って争うようになります。そして最後の「鉄の時代」になると、世の中が荒れ、人間の心はどんどんすさんでいきました。神様は、人間を見放して天界へ帰っていきました。

アストレアは一人残っていましたが、最後には、もう私の手に負えないと、地上を去って天へ帰ってしまいました。そして〈おとめ座〉になりました。アストレアの持っていた善悪の重さをはかる天秤も天に上り、〈おとめ座〉のすぐ隣で〈てんびん座〉になったといわれています。

おとめ座の方向には、太陽から約6000万光年の距離に「おとめ座銀河団」⑮⑯と呼ばれる多数の銀河があます。その中で最も明るいM87星雲は、2019年にEHTにより中心部のブラックホールが観測されたことでも知られています。

<関連リンク>

https://ja.wikipedia.org/wiki/春の大三角

⑬星座八十八夜 #18 翼を背負った農業の女神「おとめ座」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13148_mook-vir

⑭星座八十八夜 #25 善悪をはかる「てんびん座」
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13175_mook-lib

⑮おとめ座銀河団(動画あり、天文学辞典:日本天文学会)
https://astro-dic.jp/virgo-cluster/

https://ja.wikipedia.org/wiki/おとめ座銀河団

 

5月のまとめ2024(#103)

1 公式行事ほか(はれー倶楽部+天文クラブ)

天文クラブ例会 6/27(木)・28(金) 「うつろいの天文学」

宇宙は誕生してから今まで、常に変化しています。人類が観測できる秒〜年のタイムスケールでも、突発的な爆発現象や周期的な変化を起こす天体があります。たくさんの天体を繰り返し観測することで、新たな発見がもたらされてきました。
天文クラブ入会案内より)

2 天文情報

(1)5月のほしぞら情報

4月21日のはれー例会のプラネのテーマにあったように、春の星座の季節になってきました。ただ、春の夜空は黄砂や水分の影響で、少し靄がかかったように見えます。春の大三角も市内では見つけにくいかもしれません。天文現象では、5月5日(日)の昼間に、2年ぶりの火星食があります。月齢は26で火星の明るさは1等級なので、少し見つけにくいですが、望遠鏡を使えば観測可能です。
その他の情報は、「ほしぞら情報2024年5月(動画あり)」や「星空ガイド2024年5月(アストロアーツ)」、毎日の天文現象については、「5月の天文現象カレンダー(アストロアーツ)」をご覧ください。

3 観望会・講演会など(名古屋近郊で他団体主催のもの)

(1)池ヶ平天文観測会
2024年の予定はまだ公開されていません。
連絡先はこちらです。

4 新着記事、その他

4月のまとめ以降の記事は、ありません。(新着記事は、パソコンでは右側、スマホでは下の方に表示されます)

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次回行事、前回行事へのリンクははれー倶楽部トップページから。その他の月間予定はカレンダーで。
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編集後記あるいは雑感

今年の桜は、例年よりも早く咲くと言われていましたが、3月下旬が寒くなり、むしろ遅く4月に入ってから開花しました。4月も気温の変化が激しく、真夏日になるなど、服装も冬物から一気に夏物に移行し、春物の衣服を着る機会が少なかった気がします。今年の夏も猛暑になるのでしょうか。

蛍の会も例年より早めに開催されます。昨年は猛暑など気象の変化の厳しい年でしたが、蛍が無事に1年を乗り切って、多くの蛍が見られるといいですね。

Ishi

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