2024年7月14日(日)14:30~
はれー倶楽部令和6年度第1回例会の報告です。
参加者は28名でした。(①~⑪は文末の関連リンクの番号)
報告が遅くなったことをお詫びしておきます。
また、当日のミニ講座のノートはあるのですが、プラネはノートが無く記憶が薄れており、当日の内容に対し、一部異なる可能性があることをお詫びします。
1.プラネタリウム「天の川銀河ツアー」
プラネタリウムは夏の星座の解説から。宵の空の西側にはアークトゥルスを頂点とした春の大三角が沈む位置にあります。替わって夏の大三角①が東の空に見えます。天頂から少し東側にある明るい星が、こと座のベガで、少し低い南側にわし座のアルタイルです。
南の空の低い位置にはさそり座の赤いアンタレスがあり、それより高い位置にへび使い座があります。そのへびつかい座②は神話では医者の星座で、患者をへびで驚かせて治療したそうです。そしてついに、死者をよみがえらせることに成功しました。これが神様の怒りに触れ、空の星座となってしまったということです。
星座を作っている星は、同じ大きさであれば、地球に近いほど明るく、遠くなれば暗くなります。星座の星は全て銀河系の中にあり、大部分が地球から比較的近い距離にあります。
夏の大三角は、天の川の方向に重なって見えます。天の川は多くの星の集まりですが、星までの距離が遠いため、個々の星は暗く見えます。地球を離れ外から見れば、天の川は銀河系③と呼ばれる渦巻銀河であり、地球はその端の方にあります。地上から見ると、銀河系を横から見ることになるので、天の川として見えるというわけです。
<関連リンク>
①夏の大三角(県立ぐんま天文台)https://www.astron.pref.gunma.jp/gallery/summer_triangle.html
②へび使い座(AstroArts)
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13113_mook-oph
③天の川銀河(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/milky-way-galaxy/
2.ミニ講座「天体までの距離をはかる」
ミニ講座は、持田先生による「天体までの距離をはかる」と題して、天体までの距離を測るさまざまな方法について解説していただきました。
(1)かかる時間ではかる
光等が往復する時間で測る方法で、比較的近い距離を測ります。レーダー等で実用化されています。アポロ計画では、月面にコーナーキューブと呼ばれる光を入射と逆方向に反射する装置(反射器)を数百個設置しました。これに地球からレーザー光を当てて、入射波と反射波の時間差により地球と月との距離を精密に測定④することができます。地球から月まで光が往復する時間は約2.5秒ですが、数ピコ秒の精度で正確に測ることで、月が地球から毎年3.8cmずつ遠ざかっていることが明らかになりました。
(2)見え方のずれではかる
地球の公転軌道の直径を利用し、三角測量の応用で、半年間の角度を差を利用する方法(年周視差)⑤です。地球の公転軌道約3億kmで、星の角度のずれは、最も近いケンタウルス座α星で、0.0004度(1.4秒角)だそうです。これは、他の遠い星との位置の変化で見つけることができます。また、他の星との位置の変化では白鳥座61番星⑥の固有運動⑦が5秒角/年と大きいことが発見されました。
地表からの観測で、年周視差を観測する場合、大気のゆらぎによる誤差があるため、300光年までが限界とされています。例えば白鳥座のデネブは1400光年の距離にあります。
このような遠くの星までの距離を測るためには、大気の無い宇宙空間の衛星から観測することが必要になります。そのため「ヒッパルコス衛星」⑧が1989年に打ち上げられ、1993年まで観測を行っていました。測定範囲は3000光年までで、118,274個の恒星までの距離を測定したそうです。
さらに後継機の「ガイア衛星」⑨は、2013に打ち上げられ、数万光年までの範囲で、これまでに約15億個の恒星について年周視差と固有運動を測定したそうです。その精度は、地球から月面の4cmのずれが観測できるレベルだそうです。
(3)見かけの明るさではかる
さらに距離が遠くなると年周視差による測定が困難になります。その場合に利用できる方法として、セファイド変光星⑧を利用す方法があります。セファイド変光星はその変光周期と明るさ(絶対等級)の間に一定の関係があるため、見かけの明るさと変光周期がわかれば、距離を推定することができます。
この関係は小マゼラン雲⑨の観測で発見されたそうです。数千光年から1億光年程度の距離の測定に利用されます。
(4)遠ざかる速さではかる
さらに距離が遠くなると個々の星を観測することが困難になります。しかし、宇宙空間の膨張に伴い、遠くの天体ほど地球から速く遠ざかるため、天体から出された光の波長がドップラー効果で長くなること(赤方偏移⑩)が知られています。
赤方偏移と距離の間の比例関係を利用して遠くの銀河などの距離を推定することができます。赤方偏移は300万光年から138億光年(ビッグバン直後)までの距離の推定に用いられます。
(5)その他(質疑ほか)
距離を測る方法には、Ia型超新星⑪を用いる方法もあり、遠方の銀河までの距離の測定に利用されます。
天文館の5階には、今回のミニ講座(距離を測る)に関連した展示があります。
<関連リンク>
④https://ja.wikipedia.org/wiki/月レーザー測距実験
⑤年周視差(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/annual-parallax/
⑥https://ja.wikipedia.org/wiki/はくちょう座61番星
⑦固有運動(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/proper-motion/
⑥ヒッパルコス衛星(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/hipparcos-satellite/
⑦ガイア衛星(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/gaia-satellite/
⑧セファイド変光星(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/cepheid/
⑨小マゼラン雲(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/small-magellanic-cloud/
⑩赤方偏移(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/redshift/
⑪Ia型超新星(天文学辞典)
https://astro-dic.jp/type-1a-supernova/