日時 令和8年3月29日(日)
令和7年度はれー倶楽部第3回の例会報告です。
参加者は24名でした。
以下文中の丸数字は、章末の参考リンクの番号です。
1.プラネタリウム「こいぬ座物語」
3月の夜空で最も目立つ明るい星は南西の空の高い位置にある木星です。太陽系最大の惑星で地球の11倍の直径です。ちなみに太陽の直径は地球の109倍です。そして2番名に明るい星はシリウスで、南の空の高い位置にあるこいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスと合わせて、冬の大三角①になります。
東の空の低い位置には、うしかい座のアークトゥルスとおとめ座のスピカがあり、高い位置にあるしし座のデネボラと合わせて春の大三角②を見ることもできます。
こいぬ座のギリシャ神話として、次のような話が知られています。アクタイオンという若者の狩人が、森に迷い込んで偶然に水浴びをしている女神アルテミスの裸を見てしまいました。アルテミスは怒ってアクタイオンを鹿に変えてしまいました。そして鹿になったアクタイオンは、自らの猟犬にかみ殺されてしまうという理不尽な神話です。③(こいぬ座の神話は他にもあります。④⑤)
こいぬ座の一等星プロキオン⑥は、地球から11光年の距離にある二重星です。ただし伴星が約11等級と非常に暗い白色矮星なので、性能の良い望遠鏡でないと伴星を分離して見ることはできません。
このプラネタリウムでは自由に視点を変えることができます。太陽系を離れ、プロキオンを超えて、銀河系全体を外から眺め、最後はおとめ座銀河団を投影して、星空に戻りました。最後は夜明け前の夏の大三角⑦を見て、夜が明けました。
2.ミニ講座
ミニ講座は「超小型ロボットによる月探査」と題して、持田先生に解説いただきました。

これまでに月着陸に成功した国は、ソ連、アメリカ、中国、インド、日本の5ヵ国しかありません⑧。その中でいくつか史上初の着陸がありますが、日本初の着陸は2024年1月にSLIMによって達成されました。


SLIM⑨⑩のミッションの特徴は、画像マッチングを利用したピンポイント着陸技術です。100m以内の誤差での着陸を目指し、目標から55mの地点に着陸しました。ただし、2基のエンジンのうち1基が故障したため、転倒した状態で着陸し太陽電池が十分に使用できませんでしたが、休眠状態の活用などで困難を乗り越えてミッションを達成しました。
また、SLIMに搭載されたローバーは、LEV-1,LEV-2の2機です。LEV-1⑪は、重量2.1kgでバネを使って移動します。また、SLIMを介さず地球と直接通信を行います。LEV-2⑫は直径8cm、重量300g以下という超小型のローバーで、自走しLEV-1に画像データを送る機能を有しています。
LEV-2の要求仕様は、直径8cm、軽量300g以下、球状から変形など厳しい条件が並びますが、そのうちの一つは傾斜30度の砂地を登ることです。これは通常の車輪では困難なため、軸を中心からずらした偏心車輪を用いることで、これを可能にしています。また、SLIMを見つけて撮影し、そのうち良い写真を2-3枚選んでLEV-1に送信します。
LEV-2(SORA-Q)と同じ走行機能をもつ1/1スケールモデルが、SORA-Q⑬という名前で、販売されていました(現在は販売終了)。(⑬に細かな機能の解説があります)

今回は、このSORA-Qを実際に操作できる貴重な機会を提供していただきました。その時の動画は、こちらをクリックして下さい。
講演の後は、持田先生と一緒に記念撮影を行いました。

⑨小型月着陸実証機(SLIM) | 科学衛星・探査機 | 宇宙科学研究所
⑪SLIM搭載超小型月面探査ローバ LEV-1(Lunar Excursion Vehicle 1)(2024/1/25)